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2019.04.03
ひとりごと
お茶の時間で繕いを 4月 日本のお茶「煎茶」
汲みたての水で湯を沸かし、手の平サイズの急須を温める。
しっかりと密閉された茶筒の蓋を「ぽんっ」とあけ、真鍮の茶箕(ちゃみ)で茶の葉をすくう。
茶碗へ湯を入れ、湯冷ましへ移す。
ゆらゆらと立ち上る湯気の姿を合図に急須へそそぎ、静かに深呼吸。
呼吸の数だけお茶の旨みが染み出てくる。
朝、一杯のお煎茶から始まる一日はとても豊かな気持ちになります。
お茶といえば「煎茶」 日本茶の中でも群を抜く生産量と消費量。
では、煎茶とはどのようなお茶なのでしょう。
もともと庶民が飲むお茶は、摘んだ後、軽くあぶって煮出して飲まれていたので今の様にきれいな緑色ではなく、煮出した茶色だったのです。
お茶で飲むときも、摘んだときの鮮やかな葉の緑色で飲めるように、試行錯誤してできたのが煎茶を代表とする緑茶、別名、不発酵茶です。 摘まれた葉を出来るだけ早く、蒸す、炒るなどして酸化酵素の働きを止め、製造するお茶、日本茶はほとんどがこのお茶になります。
ひと言で煎茶といっても、ピンからキリまで、旨味がたっぷりの上級のお茶は低温でじっくりと淹れ、香り豊かですっきりとした味わいのお茶は温度高めでさっと淹れる。
上質なお茶の葉であれば水出しも試してみたい、とろりとした旨みを味わえるでしょう。
お茶はやっぱりお茶屋さんでの購入がお勧めです。淹れ方やいろいろな楽しみ方を教えてもらえる。会話の中で、そのお茶にどれだけの愛情が注がれているかが解るはずです。
美味しいお茶の淹れ方とは、数字だけではなく、望む時に望む味、望む温度のお茶を淹れる事、ひと言でいうと「相手を思う」という事ですね。
もうすぐ新茶の季節、いまごろ茶の木は新芽に全エネルギーを注いでいる事でしょう。
次回はそんな新茶のお話し。