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2019.10.01
ひとりごと
お茶の時間で繕いを10月 香りを楽しむ秋のお茶
夏の日差しを受けバランスを崩していた体がようやく戻りかける頃
実りの秋が始まり、温かいお茶が恋しくなる季節。
お休みさせていた素焼きの焙烙(ほうろく)を取りだし、そのままでも十分美味しい茎茶をサラサラといれ弱火にかける。
ひとふり、ふたふり、中の茎茶が素焼きの上を優雅に滑り出し、
しばらくするとうっすらと色付き、どこからともなく香ばしい香りが漂いはじめます。
懐かしい香り
子供の頃お茶屋さんの近くを通ると、この何とも言えない香りがただよって
いた。香りは遠い記憶と共に空気感までよみがえらせてくれる。
熱湯を注ぎ、さっと淹れると香ばしさに加えてほんのり甘い香りも。
朝晩の気温が下がり始めたこの季節にじんわり体を温め癒してくれます。
ほうじ茶を美味しく淹れるには茶器をきちんと温め、ぐらぐらに沸きたつお
湯を使い、すぐに注ぐことが大切です。
熱湯をそそいで時間が経ちすぎると強すぎる苦味やエグミの原因となります。
さっと淹れることでほうじ茶の命である香りが十分楽しめ爽やかなお茶が味わえます。
炒る事でカフェインが減少するので、胃腸が弱っているときや、お年寄り、
子供にも安心して飲んでいただける体に優しいお茶なのです。
どの日本茶に関しても言える事ですが、きちんと最後の一滴まで淹れる事が大切です。
よく、大き目の土瓶に葉が入ったままのたっぷりのほうじ茶をみかけますが、
これはどんどん苦味がでてしまうのでお勧めできません、葉をお湯につけたまま
にするのはやめましょう。
他にも煎茶、番茶なども熱湯でさっといれると、ゆっくり丁寧に淹れた旨みのお
茶とはひと味ちがう香りを楽しめます。
シーンごとに淹れ方を変えるのもいいですよね、どうぞお試しください。